原因は何?
なぜ働いていると本が
読めなくなるのか要約

当サイトはプロモーションを含んでいます

本は読めないのに、疲れてスマホばかり見てしまうあなたへ。本が読めなくなったのは、あなただけではありません。文化庁の2023年の調査によると、1ヶ月に1冊も本を読まない人が6割越えもいるという結果なんですから※令和5年度「国語に関する世論調査」の結果の概要より

本が読めなくなった理由を考察した、三宅香帆の著書【なぜ働いていると本が読めなくなるのか】は、労働と読書の関係を明治時代から現代に至るまでの歴史を紐解きながら考察した一冊です。
主題は労働と読書ですが、最終的には労働や価値観についての広範な問題提起にも及びます。読後の感想としては、多くの読者が彼女の本を「好著」と評価しています。

超要約するならば……

忙しくて気力体力もないから
本が読めません

この一言に尽きます。会社帰りのサラリーマン層が、タイトルに魅かれて購入するという話を知って、ビジネス情報の発信に活かせるかと思い鑑賞しましたけれど、要約解説に時間をかけるほどの価値を感じられませんでした。

いい本ではあるんですよ、日本読書史といえる時代背景の解釈を知られるといった知的好奇心は満たせますから。お若いお嬢さんが書いたとは思えない慧眼の内容でしたもの。けれど、何が気に入らなかったのかというのは後述します。

本書の要点

要点1:現代社会では、仕事に多くの時間を割き、自分の人生に必要な「文化」に触れる時間、特に読書に割く時間が不足している状況が一般的。

要点2:インターネットなどを通じて簡単に手に入る「情報」とは異なり、読書によって得られる「知識」には、偶然の出会いや深掘りの機会が含まれるという特徴がある。けれども仕事に追われ余裕のない労働者にとって、趣味である読書は仕事に集中するための「ノイズ」として捉えられがちに。

要点3:「働きながら本を読める社会」を実現するためには、私たちは仕事に全身全霊を注ぐのでなく、読書や文化活動など、多様な分野に「半身(はんしん)」で取り組むことを意識する必要がある。

感想は「読んでも現実は変わらない」

疲れたビジネスマンのイメージイラスト

記事著者の私としての感想を結論とするなら、あなたがどうすれば本が読めるかと期待していたら、読むことをおすすめしません。書き間違えでなく、読むべきでないです。
当サイトは著書の良さを語る前提でサイト運営しているため、このような否定的な感想を書きたくないのだけれど、本心であなたにお伝えします。

なぜなら本が読めなくなった背景を解説しても、あなたが望むような具体的な道のりが示されていませんから。あとがきに具体的なアクションらしきものは提示しているものの、あくまでらしきものですもの。

背景解明には数々の引用や、時間をかけて踏査した労力に見合う回答を提示しているため、自説については納得できるものの、「本書を読むことで得たいベネフィット=どうすれば忙しくても本が読めるか」は満たされないでしょう。

全身全霊で働くから疲れ切ってしまう。だから半身(はんしん)で働くといった美しい夢物語を解決策として提案していますけれど、お嬢さんの提案を現実に形作るとしたら、時間はあるけれど最低限の収入で糊口をしのぐフリーターか、自由をお金で買い取る経営者か資本家になるかくらいでしょう。
副業まで推奨するような日本の環境では難しいと感じますもの。

三宅香帆の提案に共感できるなら、自ら政治家になって誰もが自由を享受できる夢の法令を立案してください。きっと社会保障費を増やすくらいしか道はないでしょう……。
夢物語には共感できませんでしたけれども、著者自体を応援するのは大いに結構。労働と読書の関係の考察は納得できましたから。

けれどもどうしても本書の要約を知ってから購入したいと感じているのでしたら、以下の疲れてスマホばかり見てしまうあなたへ【なぜ働いていると本が読めなくなるのか】の要約をお読みください。

なぜ働いていると
本が読めなくなるのかは
どのような本なのか

疲れたビジネスマンのイメージイラスト

本書は、歴史的な観点から労働と読書の関係性を探る内容です。
明治時代から現代に至るまで、労働に対する価値観や読書の扱われ方が詳細に語られています。具体例を挙げると、著者は「なぜ働いていると本を鑑賞できないのか」という問いを基に、労働が人々の余暇や教養活動にどのように影響を与えてきたかを考察しています。

現代の読書離れの背景

著者は、現代の日本人が読書を離れていく背景として、長時間労働や情報の流れの変化を挙げています。
特に、スマホゲームなどの「ノイズ」が少ない情報源に依存する傾向が読書離れの一因となっているとしています。疲れてスマホばかり見てしまうあなたへ伝える理由は、「考える気力と必要がないから、スマホばかり見てしまう」ということ。

どのような学びがあるか

本書から得られる学びについて。まず、歴史を通じて労働と読書の関係を理解することで、現代の労働環境や価値観についての洞察が深まります。また読書をする余裕がないほど仕事に捧げることの問題点や、現代の労働観に対する問題提起もされています。仕事に全てを捧げることの危険性は理解できるはず。ゆえに、娯楽だけでなく教養を深めるための読書の重要性を再認識することになるでしょう。

読者はどのような
評価を下しているのか

なぜ働いていると本が読めなくなるのかの本の評価を下しているメインイメージイラスト

読者の評価は概ね高いですね。多くの読者が「重厚なテーマを読みやすく描いている」と評価しており、政治的に偏りすぎない筆致や、複雑性を排しすぎない書きぶりが好評です。しかし、一部の読者はタイトルや帯のキャッチコピーと内容の乖離を指摘し、期待していた内容と違ったという意見もありました。

著者が多くの参考文献を引用している点についても評価が分かれています。ある読者は、参考文献が多すぎて内容が散漫になると感じた一方で、他の読者はその豊富な資料を評価しています。

本書は、読書時間の減少に関する現代の問題点についても触れているものの、コチラに関しては指摘不足の感が否めません。特に、インターネットや動画配信サービス、スマートフォンの普及が読書時間に与える影響についての考察が不足しているとの指摘がありました。現代の読書環境を理解する上で重要な視点です。

さらに、著者自身が全身全霊でなく「半身(はんしん)で働こう」と提言している点についても意見が分かれています。全身全霊で働くことが自己啓発の欲求と矛盾するのではないかという疑問が呈されていますけれど、現実的な読書のアドバイスが示されている点は評価されています(私は現実的な読書のアドバイスのように思えません)。

総評

なぜ働いていると本が読めなくなるのかの本を読むイメージイラスト

総じて、本書【なぜ働いていると本が読めなくなるのか】は労働と読書の関係を歴史的に理解し、現代の労働環境や価値観について深く考えるきっかけを提供してくれる一冊です。

タイトルや帯の言葉「疲れてスマホばかり見てしまうあなたへ」に惹かれて手に取る人も多いかもしれません。疲れてスマホばかり見てしまう理由の追求よりも、実際には深い歴史的考察が主体となっているため、歴史や社会システムに興味があるならおすすめできます。

本書では取り上げていない、
時間がないのにどのようにして
本を読むことができるかの提案

本書では、あとがきに「どうすれば読書できるかの6つの提案」をしています。あなたが一番欲しい情報かもしれませんが、これまでも要約しては読む楽しみを奪いかねないとして省略します。
けれども、知るときっと肩透かしするでしょう。なぜなら、「少しは時間があるけれど、読書する気になれない」人向けの提案だからです。

9時半業務開始から20時間までの(文中には直接触れていないけれども、週休二日と予想)労働環境でキツイ!本が読めないから勤め人やめました!という経歴の三宅香帆の提案するプランに納得できるでしょうか?
あなたも私も多くのビジネスパーソンは納得できないでしょうね。

18世紀のフランス、パンすら食べられない農民の現状を知ったマリーアントワネットの「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」と憐憫の言葉を言ったとされる、立場の違う人間では理解しあえないエピソードを思い出します。

なので私から、時間も気力もないけれど、どうしても本を読まなければ……と感じているのであれば、オーディオブック利用を強く推奨します。私の意見ですけれども、追加する7番目の提案であり、一番具体的で実現可能な方法ですね。むしろこれしかない。

オーディオブック利用のイメージイラスト

音韻表象(おんいんひょうしょう)という、脳の機能を知ると、私の提案に納得してもらえると自信があります。音韻表象は、読解や言語処理において重要な役割を果たす概念。以下に解説します。

音韻表象とは何か?

音韻表象は、私たちが言葉を聞いたり、内部で声に出してイメージしたりする際に使われる、音の情報の内部的な表現です。

  • 音韻表象と読解の関係
    • 音韻表象は、読解において効果的であり、言語理解の速度を向上させることが示されています。
    • 視覚よりも処理が楽な聴覚で情報を活用することにより、脳の負担を軽減し、内容の理解を促進する効果があります。

オーディオブックは、音声で本の内容を聴く形式なので、聴覚情報を活用することで音韻表象の生成や利用が促進されます。これにより、脳の負担を軽減しながら、本の内容を早く理解できます。
疲れていても本を学べる方法として、オーディオブック利用を推奨する理由に納得できたでしょう。
参考:J-STAGE 文の読解処理過程における音韻表象の役割:語順情報と助詞の処理に着目してより

読書離れしていて、時間はもちろん気力もないけれど、なんとか楽に本を鑑賞する方法として最適でしょ?目でなく耳を使って理解できる方法にすれば、あなたも楽に学び続けられますよ。