ビジネスパーソンとして成功するために最も重要な4つのスキル「聴く」「読む」「書く」「話す」
4つのスキルは一見、当たり前に思えるかもしれません。しかし学生時代とビジネスの現場で求められるスキルには大きな違いがあります。
本記事では、叱られる回数を抑えたい新入社員のあなたが、最初の3ヶ月で必ず直面する具体的なビジネスシーンに焦点を当て、実践的なスキル向上方法を解説。さらに著者が経験から強く実感している「日本のビジネス文化において極めて重要な『根回し』のスキル」についても詳しく解説していきます。
新社会人としての大前提
まずは職場の人間の顔と名前を覚えること!
それからスキルを覚えるように
新入社員が学ぶべき聴くスキル
4つのスキル「聴く」「読む」「書く」「話す」を順番に教えますね。まずは「聴く」スキルから。
新入社会人にとって、「聴く」スキルは最も重要な基礎能力の一つです。学生時代と異なり、ビジネスの現場では一度の説明で正確に内容を理解し、適切に行動することが求められます。
効果的な「聴く」スキルの習得方法について、実践的に解説していきます。
基本姿勢の確立
- 相手の方に体を向け、やや前傾姿勢を保つ
- アイコンタクトを適度に取る
- 腕組みなど防御的な姿勢を避ける
ビジネスの場面で相手の話を聴く際、まず重要なのは基本的な姿勢です。相手に対して体を向け、やや前傾姿勢を保つことから始めましょう。この姿勢は「あなたの話に興味があります」というメッセージを無言で伝えることができます。
人の目を直接見るのが苦手、という人にも対処法をお伝えしておきますね。
アイコンタクトは、相手の目を見つめすぎず、目と口の間を自然に見るようにしましょう。私の経験上、直接目を見なくても眉間や鼻柱あたりを見ていても、相手に「目を見て話している」と感じさせられますよ。
特に日本の風土では、過度な視線の固定は相手に圧迫感を与える可能性があるため、適度な視線の移動を心がけましょう。
腕組みや足組みなどの閉じた姿勢は、無意識のうちに防御的な印象を与えてしまいます。できるだけ開放的な姿勢を保ち、相手が話しやすい雰囲気を作ることが大切です。
効果的な聴き方の実践
- 相手の話に興味を持って聴く
- 相手の非言語的な表現(しぐさや声のトーン)にも注意を払う
- 必要に応じて質問し、理解を深める
ビジネスの現場での「聴く」スキルは、単に音声情報を受け取るだけではありません。以下の三つの要素を意識することで、より効果的な聴き方が実現できます。
まず、相手の話に純粋な興味を持って聴くことです。演技でなく、相手の話から自分の業務に活かせるポイントを見つけようとする姿勢です。
例えば、先輩社員の経験談を聞く際は、「同じような状況になった時、自分ならどうするか」を考えながら聴くことで、自然と興味を持って聴くことができますよ。
次に、相手の非言語的な表現に注意を払います。声のトーンや表情、手振りなどから、言葉では表現されていない重要な情報を読み取ることができます。特に上司からの指示を受ける際は、その案件の重要度や緊急度を、声の調子や表情から判断することも重要です。
最後に、適切なタイミングでの質問です。「すみません、その部分をもう少し詳しく説明していただけますでしょうか」といった確認の質問は、誤解を防ぎ、正確な理解を深めるために不可欠です。
後日に聞き返すと「わかったフリして聞き流してたのか」といったマイナスな印象を与えかねないので、その場で聞く習慣をいち早く身につけましょう。
当たり前ですけれど「何でもかんでも噛みつかないこと」
新人時代を思い返せば「て言うか、○○ですよね」とよく切り返していました。先輩に「口答えしてんのか?」と言われたこともあります。新人なのに経験者面して返答しないことですね。
余計なことに茶々を入れずに、まずは聴くに徹するスキルを重点的に身につけましょう。自然と空気を読むスキルも身に着きますよ。
相手の立場に立った理解
ビジネスの場面では、相手の立場や状況を理解することが極めて重要です。
例えば、クライアントからの要望を聞く際は、なぜその要望が出てきたのか、背景にある課題は何かを考えながら聴くことで、より適切な提案や対応が可能になります。
上司からの指示を受ける際も同様です。
単に作業内容を理解するだけでなく、下された指示がプロジェクト全体のどの部分に位置づけられるのか、どのような意図があるのかを理解することで、より質の高い成果を出すことができます。
新入社員が学ぶ読むスキル
新入社会人にとって、「読む」スキルは日々の業務を円滑に進めるための要となります。学生時代は時間をかけて読み込むことができましたが、ビジネスの現場では限られた時間で正確に情報を把握し、すぐに行動に移すことが求められます。
ビジネスパーソンに必要な「読む」スキルの向上方法について、実践的に解説していきます。
基本的な読解力の強化
優先順位の判断
- 受信メールの緊急度判断(件名と冒頭部分での瞬時の判断)
- 社内文書の決裁ルート確認(押印箇所、決裁順序の確認)
- 契約書の重要条項の識別(期限、金額、責任範囲)
ビジネスにおける読解力は、文書の目的や重要性を素早く判断する能力から始まります。例えば、朝一番で受信トレイを開いたとき、数十件のメールが届いているのは日常的な光景です。このとき、すべてのメールに同じように時間をかけていては、重要な案件への対応が遅れてしまう可能性があります。 効率的な読解の第一歩は、文書の種類による優先順位付けです。
例えば、上司からの直接のメールは最優先で確認し、情報共有目的のCCメールは後回しにするといった具合です。また、件名に「至急」「本日中」などの文言があるメールは、内容の確認を急ぐ必要があります。 しかし、ここで注意したいのは、すべての「至急」が本当に緊急というわけではないということです。送信者の立場や案件の性質を総合的に判断する必要があります。
取捨選択の判断力は、日々の業務経験を通じて徐々に身についていきますので、焦らなくても大丈夫ですね。
スピーディーな情報抽出
ビジネス文書から必要な情報を素早く抽出するには、効率的な読み方のパターンを身につけることが重要です。特に報告書や議事録では、以下の「4W1H」を意識しながら読むことで、重要なポイントを逃さず把握することができます。
- Who:誰が関係しているのか
- What:何が起きているのか
- When:いつまでに対応が必要か
- Where:どの部署・場所が関係するのか
- How:どのように対応するのか
例えば、プロジェクトの進捗報告書を読む際、まずこれらの要素を意識して目を通すことで、自分に関係する部分や対応が必要な事項を効率的に把握することができます。
重要文書の読解テクニック
契約書や社内規定などの重要文書を読む際は、特に慎重な読解が求められます。社内文書は、一度読み違えると重大な問題につながる可能性があるためです。
重要文書を読む際は、最初に文書全体の構成を把握することから始めます。目次や見出しに目を通し、文書の全体像をつかみます。その後、重要な条項や規定を丁寧に読み込んでいきます。 特に注意が必要なのは、条件や例外を示す表現です。「ただし」「なお」「また」などの接続詞の後には、重要な但し書きが続くことが多いため、見落とさないように注意が必要です。
分からない用語や不明確な表現に遭遇した場合は、ただちに上司や関連部署に確認することが重要です。「後で確認しよう」と思って後回しにすると、重要な確認を忘れてしまう可能性がありますから。
実践的なトレーニング方法
読解力を向上させるには、日常業務の中で意識的なトレーニングを行うことが効果的です。例えば、毎朝の新聞やビジネスニュースを読む際に、制限時間を設けて要点をメモする練習を行うことで、速読力と要点抽出力を同時に鍛えることができます。
また、社内文書を読む際は、読んだ内容を誰かに説明することを想定しながら読むようにしましょう。このような意識を持つことで、より深い理解と正確な情報把握が可能になります。
新入社員が学ぶ書くスキル
ビジネスの現場では、メール、報告書、企画書など、日々様々な文書を作成する機会があります。学生時代のレポートとは異なり、ビジネス文書には「相手を動かす」という明確な目的があります。
次は新入社員が身につけるべき「書く」スキルについて実践的な方法を解説していきます。
ビジネス文書の基本原則
- 結論から書く
- 具体的で分かりやすい表現を使う
- 相手にとって理解しやすい言葉を選ぶ
ビジネス文書で最も重要な原則は「結論から書く」ということです。結論から書くことは、読み手の時間を考慮した、ビジネスならではの作法です。例えば、企画の提案メールを送る場合、「○○について、△△という企画を提案させていただきたく存じます」と、最初に要点を明示します。
「結論から書く」スタイルには、重要な利点があります。まず、読み手が文書の目的を即座に理解できます。理解することで、詳細を読む必要があるかどうかの判断も容易になります。特に上司やクライアントなど、多忙な相手に対しては、このような配慮が不可欠です。
インデント(字下げ)など、会社によって細かいこと気にするところもあるでしょう。けれど、「伝えたい内容」が読み手に伝わることが重要です。装飾のやり方を覚える前に、ビジネス文書の基本原則をいち早くマスターすることに意識を向けましょう。
効果的なメールの書き方
ビジネスメールは、現代のビジネスコミュニケーションの中心です。効果的なメールを書くためには、以下の3つの要素を意識する必要があります。
まず、件名の付け方です。「報告」「依頼」「確認」などの目的を明示し、具体的な内容を簡潔に示します。例えば「【報告】○月△日の客先訪問結果について」のように書きます。これにより、受信者は内容を開く前に、メールの性質と重要度を判断できます。次に、本文の構成です。
- 冒頭の挨拶
- 要件の明示
- 詳細な説明
- 具体的なアクション
- 締めの言葉
という流れを基本とします。
特に重要なのは、アクションの明確化です。「ご確認いただけますでしょうか」「○月△日までにご回答いただけますと幸いです」など、相手に期待する行動を具体的に示します。
コピペで応用できるビジネスメールの見本
新人なので、できればビジネスメールの例文があると嬉しいですよね?
コピペして、必要な所を書き換えるだけで使える「ビジネスメールの見本」を記載しますね。
見本として、会議の開催通知を送る場合▼
件名:【ご出席依頼】第3四半期営業戦略会議(7/1 14:00-)
○○様
お世話になっております。
営業企画部の△△です。
第3四半期の営業戦略会議を下記の通り開催いたしますので、
ご出席をお願いいたします。
日時:7月1日(月)14:00-16:00
場所:本社5階 大会議室
議題:
1. 第2四半期の振り返り
2. 第3四半期の目標設定
3. 新規施策の検討
ご多用中とは存じますが、ご出席いただけますようお願いいたします。
ご出席の可否を、6月25日(火)までにご返信ください。
メール作成の練習
書いたメールは送信前に一度保存し、数分後に読み返すようにします。寝かした後に読み返す習慣を身に着けると、客観的な視点で文章を見直すことができ、より分かりやすい表現に改善できますよ。
報告書作成のテクニック
報告書は、単なる事実の記録ではなく、「次のアクションにつなげるための文書」です。効果的な報告書を作成するには、次の要素を含めることが重要です。まず、「目的」「結果」「今後の対応」という基本構成を意識します。例えば、商談報告書であれば▼
- 目的:新規取引の可能性を探る
- 結果:予算面での課題が判明
- 今後の対応:価格の見直しを検討、というように明確に記載します。
数値やデータを活用することで、報告の客観性と説得力が増します。「好感触でした」という主観的な表現ではなく、「次回納品までに○○円のコスト削減が必要」というように、具体的な数字を示すことが重要です。
分かりやすい文章表現
ビジネス文書では、簡潔で明確な表現を心がけます。例えば、「検討させていただきたく存じます」という冗長な表現は、「検討いたします」でも十分です。一文は40字程度を目安とし、長くなる場合は適切に分割します。
特に注意したいのは、あいまいな表現を避けることです。「できるだけ早く」ではなく「○月△日までに」、「かなりの数」ではなく「約100件」というように、具体的な表現を使います。具体性を出すことで、読み手の解釈の余地をなくし、確実な意思疎通が可能になります。
実践的なトレーニング方法
文章力を向上させるには、日常業務の中で意識的な練習を重ねることが効果的です。
例えば、毎日の業務日報を書く際に、「5W1H」を意識して書くことで、必要な情報を漏れなく記載する習慣が身につきます。重要なメールを送信する前に、「相手の立場で読み返す」という習慣をつけることも大切です。
特に依頼のメールでは、相手が「何を」「いつまでに」すべきかが明確に伝わっているか、必ず確認しましょう。このような基本を着実に積み重ねることで、徐々にビジネス文書作成のスキルは向上していきます。完璧を求めすぎず、まずは基本に忠実に、そして継続的な改善を心がけることが重要です。
思いを正しく伝える話すスキル
ビジネスの現場では、上司への報告、クライアントとの商談、同僚との打ち合わせなど、様々な場面で「話す」スキルが試されます。学生時代のプレゼンテーションとは異なり、即座の応答や状況に応じた柔軟な対応が求められます。
次は新入社会人が身につけるべき「話す」スキルについて実践的な方法を解説していきます。
基本的な話し方の習得
- 適切な声量(相手が聞き取りやすい大きさ)
- 明瞭な発音
- 適度な速さ(早すぎず遅すぎない)
ビジネスでの会話は、「明確さ」と「簡潔さ」が重要です。例えば、上司に報告する際は、「えーと」「なんか」といった曖昧な表現を避け、要点を簡潔に伝えることが求められます。
特に重要なのが、話す速さとボリュームのコントロールです。早口になりがちな新入社員は多いものですが、相手に理解してもらうためには適度な速さが必要です。一つの目安として、1分間に250字程度の速さで話すことを意識してみましょう。
声の大きさも、相手との距離や周囲の環境に応じて調整が必要です。会議室での発言と、オープンスペースでの会話では、適切な声量が異なります。基本的には、相手の表情を見ながら、聞き取りやすい声量を心がけましょう。
電話応対の基本
電話応対は、新入社員が最初に任される重要な業務の一つ。視覚情報がない分、声だけで適切なコミュニケーションを取る必要があります。
電話を受ける際の基本的な流れは次の通り▼
- 「はい、○○部の△△でございます」と、所属と名前を明確に
- 相手の用件を注意深く聴く
- メモを取りながら要点を確認
- 対応可能か即座に判断
- 適切な対応または取り次ぎ
特に注意が必要なのは、「保留」を入れる際の対応です。「少々お待ちください」と伝えた後、1分以上かかりそうな場合は、途中経過を報告します。「お待たせして申し訳ございません。ただいま確認中でございます」といった具合です。
会議での発言力
会議での発言は、新入社員にとって大きなプレッシャーとなりがちです。しかし、適切な発言は自身の存在価値を示す重要な機会となります。効果的な発言のためには、「PREP法」が有効です。
- Point(結論):まず主張したいことを述べる
- Reason(理由):なぜそう考えるのかを説明
- Example(例示):具体例を挙げて説明
- Point(まとめ):最後に結論を再度強調
例えば、新しい業務改善を提案する場合、「PREP法」を使うと▼
「○○という方法で作業時間を短縮できると考えます(Point)。現在の方法では△△という無駄が生じているためです(Reason)。実際に□□部署では、この方法で作業時間が半減した実績があります(Example)。そのため、当部署でも同様の改善が期待できると考えます(Point)」というように構成します。
クライアント対応での話し方
クライアントとの会話では、特に「敬語」の適切な使用が重要です。ただし、過度な敬語は逆に不自然さを生むため、基本的な尊敬語と謙譲語を正しく使いこなすことを心がけましょう。
例えば、「お客様のご要望を確認させていただき、検討させていただきます」という表現は、謙譲語の重複で不自然です。「お客様のご要望を確認し、検討させていただきます」の方が自然な表現となります。日本語特有の尊敬語と謙譲語の使い分けは難しいですけれど、一度型さえ覚えればいいので、暇を見つけては調べておきましょう。
実践的なトレーニング方法
話すスキルを向上させるには、日常業務の中での意識的な練習が効果的です。例えば、朝の挨拶を交わす際に、相手の目を見て、はっきりとした声で話すことを心がけます。
また、上司への報告の前に、要点を箇条書きでメモしておく習慣をつけることで、簡潔で分かりやすい報告ができるようになります。
特に重要な話し合いの前には、鏡の前で練習することも有効です。自分の表情や声の調子を確認することでより自然な話し方が身についていきます。
基本を意識しながら日々の実践を重ねることで、ビジネスに適した話し方が徐々に身についていきます。完璧を求めすぎず、まずは基本的な部分から着実に改善していきましょう。
どの立場になっても
必要な根回しのスキル
新入社員の立場が学ぶには、その段階ではないと思うものの、早めに覚えておいて損しない話にも触れておきましょう。
日本のビジネス文化において、「根回し」は極めて重要なスキル。どの職種においても必須なスキルと言えます。
私の経験上、先ほどまで取り上げた4つのスキルを会得しても、根回しの有無で、技術を活かすシーンに参加できるか決まるほどですから。
根回しは単なる事前調整ではなく、円滑な業務遂行とキャリア形成の基盤となる重要な実務能力です。特に新入社員にとって、後にも先にも影響する「根回し」のスキルは、周囲との良好な関係構築から始まります。
新入社員の立場から中堅の立場になっても、根回しできるかであなたの人生を左右するほど重要なスキルと覚悟しておくべきでしょう。
根回しの本質的な意味
- 人間関係の構築
- 信頼関係の醸成
- スムーズな業務遂行
- キャリア形成の基盤
根回しの重要性は、日本特有のビジネス文化に深く根ざしています。なぜなら、いまだに日本の職場は「タテ社会」ですから。業務通り動く前に、感情で動く一面があることは否定できません。
例えば、新しいプロジェクトを立ち上げる際、正式な会議の前に関係者と個別に相談することで、スムーズな合意形成ができるほどですから。
単なる事前調整ではなく、関係者の意見や懸念を事前に把握し、より良い提案に磨き上げていく過程でもあります(社内の話だけでなく、政界ですら根回ししないと法案を通させないといった、意地悪する議員どももいるくらいですもの……)。
特に重要なのは、根回しを通じた人間関係の構築。新入社員にとって、仕事を教えてくれる先輩との関係は最も重要です。先輩は自身の業務がある中で時間を割いて指導してくれるため、この「時間の投資」に対する感謝の気持ちを示すことが不可欠ですよ。
先輩との関係構築
- 休憩時間を活用した自然な会話
- 業務の相談を通じた信頼関係の構築
- 適切なタイミングでの報告・連絡・相談
先輩との良好な関係を築くためには、以下のような具体的なアプローチが効果的です。まず、指導を受ける際の基本姿勢として、メモを取る習慣は必須。
メモ取りは単なる記録以上の意味があります。メモを取ることで、「真剣に学ぼうとしている」という姿勢を示すと同時に、同じ説明を何度も求めることを防ぎ、先輩の時間を無駄にしないという配慮を表現できますから。
次に、学んだことを確実に実践し、その結果を報告することです。例えば、「先日ご指導いただいた○○の方法を実践したところ、△△という成果が出ました」と報告することで、先輩の指導が確実に活かされていることを示せます。
休憩時間などを活用した自然な会話も重要。ただし、押しつけがましくない程度に行うことが肝心です。先輩が忙しそうな様子の時は、距離を置くという、空気を読む判断も必要ですぞ。
上司への効果的な根回し
- 重要な提案前の事前相談
- 問題発生時の早期報告
- 定期的な進捗確認と方向性の確認
上司への根回しは、より戦略的なアプローチが必要です。例えば、新しい提案をする場合、以下のような段階を踏むことが効果的です▼
- 事前の情報収集
まず、類似の前例や想定される課題について十分な調査を行います。上司の時間を無駄にせず、建設的な議論が可能になります。 - 適切なタイミングの選択
上司が比較的余裕のある時間帯(例:朝一番や夕方の定時前)を選んで相談します。 - 簡潔な説明の準備
要点を1分程度で説明できるよう準備し、詳細は上司の反応を見て適宜補足します。
部署間の調整における根回し
- 関係者への事前説明
- 懸念事項の早期把握と対応
- 協力体制の構築
他部署との調整には、特に慎重なアプローチが必要です。次のような点に注意を払います。
まず、自部署の上司や先輩に相談し、アプローチの仕方について助言を得ます。得た助言から、組織の非公式なルールや過去の経緯を知る機会にもなります。
続いて、関係部署のキーパーソンを特定し、適切な順序で根回しを行います。各部署の立場や事情を理解し、Win-Winの関係を築くことを意識しましょう。
実践的なトレーニング方法
- 情報収集フェーズ
- 関係者の把握
- 各関係者の立場や意向の理解
- 潜在的な問題点の洗い出し
- アプローチフェーズ
- 重要度に応じた優先順位付け
- 適切なタイミングの選択
- コミュニケーション方法の選定
- 実行フェーズ
- 丁寧な説明と意見収集
- 懸念事項への対応策の提示
- 合意形成の確認
根回しのスキルは、日々の小さな実践から始めることができます。例えば、会議の設定一つとっても、参加者の予定を事前に確認し、都合の良い時間帯を提案することで、基本的な根回しの感覚を養うことができます。
また、先輩や上司の動きを観察することも重要です。彼らがどのように関係者と調整を行い、合意形成を図っているかを学ぶことで、効果的な根回しの方法を習得できます。
このように、根回しは単なるテクニックではなく、組織における信頼関係構築の基礎となるスキルです。日々の小さな実践を通じて、徐々に自分なりの方法を確立していきましょう。
参加すれば得になる
飲みニケーションの重要性
前述した「根回しのスキル」をより一層効果的にしてくれる方法も伝えましょう。
多くの新入社員が見落としがちな、しかし極めて重要な「飲みニケーション」について触れておく必要があります。近年、若手社員の間で飲み会を敬遠する傾向が強まっていますけれど、日本のビジネス文化における重要な機会損失の可能性がありますから。
どうせ酒好きの意見なんだろうと思っている、あなたの誤解を解くために。私はお酒は好きではありません。普段全く飲みませんし、遠ざけている立場です。けれども飲みニケーションは参加するよう心がけています。
なぜ飲みニケーションが重要なのか
日本の企業は単なる「働く場所」ではなく、一種の「共同体」としての性質を持っています。個人主義が強まっている地合いの流れとはいえ、共同体の理解は、特に新入社員にとって重要です。
例えば、あなたが仕事で困ったとき、マニュアルには書かれていない解決策を教えてくれるのは、親密な関係を築いた先輩かもしれません。実際、多くの成功している若手社員は、次のような経験をしています▼
- 飲み会の場で、普段聞けない業界の裏話や重要な情報(社内政治など)を得られた
- 仕事のミスをフォローしてもらえた
- 昇進や異動の際に良い評価を得られた
新入社員ではしがちな、仕事のミス。先輩によるミスのフォローはありがたいですよ!だからこそ先輩の機嫌を取って(格好悪い表現ですけど、ヨイショして)おいて損はないですから。
飲みニケーションなんていらない、という風潮が蔓延しがちですけど、飲み会不必要と言ってる奴は仕事できない生き物(人間でなく、別の生き物程度)と判断すべきですね。
だって酒の席だからこそ、つい口が軽くなって普段聞かないような隠し情報をポロっと出したりしますから。情報は力になりますよ!だからこそ、酒嫌いな私でさえ、社内政治などの生き残りを考えて参加するわけです。
効果的な参加方法
ただし、飲みニケーションで重要なのは「適度な参加」です。次のようなポイントを意識すると、より効果的です▼
- 参加頻度
- 毎回の参加は必要ありません
- 月1-2回程度の部署の飲み会には積極的に参加
- 特に歓送迎会や決算後の打ち上げなど、重要な機会は優先的に参加
- 席での振る舞い
- 先輩の話を真摯に聞く姿勢を見せる
- 適度な質問で会話を広げる
- お酒が苦手な場合は、ソフトドリンクでの参加も十分アリ(飲めない体質は事前に強く報告すべし!)
- 翌日のフォロー
- ご馳走されたら当日だけでなく、翌日にも再度お礼を言うこと(言葉一つだけで印象度アップするんですから、絶対すべき!)
- 話題に上がった業務関連の事項をメモしておく
- 翌日、さりげなく関連する話題を出して会話を続ける
ご馳走されたらお礼を言うのは当たり前。けれども次の日も早めに(それのためだけに挨拶するくらいに)前日のお礼を言うのは印象度ポイント高くなります。
私の経験上、近頃の新社会人は「その場でお礼を言ったからいい」くらいに軽めに感じる人がいて、大変残念に感じています。お金そのものを軽く思っているのか、後輩だからおごってもらえるのが当たり前程度に感じているのか……。
次の日にお礼を言うだけで、どれほど効果があるのか考えたことのない人間が多い中、あなたはちゃんと次の日にもお礼を言うだけで、烏合の衆より頭一つ抜きんでた存在として扱われますよ。
現代における新しい飲みスタイル
筆者の考察を加えさせていただくと、時代を経て、従来の飲み会文化にも変化の兆しが見られます。例えば▼
- オンライン飲み会の活用
- ランチ会や朝活などの代替手段
- 短時間での「ちょい飲み」スタイル
飲み会の新しい形式も、コミュニケーションの機会として十分に機能します。重要なのは「コミュニティに参加する意思」を示すことであり、形式にこだわる必要はありません。
バランスの取り方
ただし、飲みニケーションへの参加は、あくまでも業務のパフォーマンスを前提としています。次のバランスを意識することが重要です▼
- 翌日の業務に支障が出ない程度の参加
- 自身の体調管理との両立
- プライベートな予定との調整
飲みニケーションは、単なる「飲み会」ではなく、重要なビジネススキルを磨く機会として捉えることが大切です。特に入社1~3年目は、酒席の機会を通じて築いた人間関係が、あなたの後のキャリアに大きな影響を与えることも少なくありません。
上司や先輩の説教も出てくる場合は多々あるものの、「あなたに対しての叱咤激励のかたち」と受け取り方を変えると、気分も幾分楽になりますよ。
仕事とプライベートは別、だから身内とだけ飲みたいと考えるでしょうけれど、まずは仕事ができてから言う権利を得られると心得るべきです。酒席で適度な距離感を保ちながら、こうした機会を前向きに活用することで、より円滑な職場関係を構築することができるでしょう。
まとめ:5つのスキルを
効率的に向上させるために
最初の3ヶ月で押さえるべきポイント
- 優先順位を意識する
- 聴く:上司からの指示は必ずメモを取る
- 読む:締切と重要度で文書に優先順位をつける
- 書く:報告・連絡・相談を漏らさない
- 話す:結論から話す習慣を徹底する
- 根回し:キーパーソンを見極める
- 業務の75%以上はこれらのスキルで構成されている
- 朝礼での報告(話す)
- メールチェック(読む)
- 上司からの指示(聴く)
- 議事録作成など(書く)
- 関係者との調整(根回し)
- 継続的な改善のために
- 毎日の業務日誌で5つのスキルの実践を振り返る
- 先輩社員の仕事の進め方を観察する
- 分からないことはその場で質問する
- 失敗した際は必ず改善点を記録する
- 飲みニケーションといったコミュニケーションをおろそかにしないこと
- できるだけ参加するように
- 羽目を外し過ぎないように
新社会人のあなたに向けて
ここまで読み進めてきたアナタなら、進む先に希望が持てます。だって今以上の成長を望んでいるから、最期まで読み続けているんですから。意欲の有無は、成長速度に比例しますもの。
最後に忠告を。完璧を目指すのではなく、まずは基本を押さえることから始めましょう。当記事で紹介した方法を1つずつ実践していけば、確実にスキルアップできます。特に最初の3ヶ月は、基本的なビジネススキルを身につける絶好の機会です。失敗覚悟で果敢に挑戦しましょう。なぜなら新人ゆえに、失敗しても大目に見てくれるボーナスタイムですから。
そして最も重要なのは、必須スキルは全て「人との関係性」を基盤としているということです。特に日本のビジネス環境では、技術的なスキルと同様に、あるいはそれ以上に、人間関係の構築が重要です。
焦らず、着実に、継続的に実践することで、必ず成長を実感できるはずです。自分の成長を信じて毎日の業務に励まれますように。より成長を加速させたいなら、当サイトBizBookBeats.comのサイト内の記事を読み続けてください。